認証は、組織が社会に対して自らの責任を果たしていることを証明し、その信頼を未来につなぐこと
スタートアップ企業であっても、中小企業であっても、企業規模を理由に、品質や情報セキュリティに対する責任が軽くなることはありません。 本業として提供する製品やサービスの品質、そして業務で取り扱う情報の安全性は、組織自らが責任を持って保証すべきものです。
認証は、企業を実態以上によく見せるための道具ではありません。
整えられた書類によって、偽りの企業像を社会に示すものでもありません。
認証とは、組織が実際に築き上げ、運用し、改善しているマネジメントシステムの存在を、第三者の立場から社会に証明するものです。
J CSRの認証が伝えるのは、つくられた企業の姿ではなく、組織の真の姿です。
組織が社会に対して自らの責任を果たしていることを証明し、その信頼を未来につなぐこと。
それが、J CSRの認証です。
J CSRは、マネジメントシステム認証によって、次の四つの価値が組織に備わっていることを証明します。 これについては、スタートアップ企業であっても、中小企業であっても、大企業であっても同じです。
第一の価値
組織を適切に運営するためのマネジメントプロセスが確立されていること
組織の目的が共有され、それを実現する過程で挙げられる事業上の論点や関心事、課題(Issue)に向き合う活動が合理性をもって存在していること。
第二の価値
定められた業務を確実に実行するための枠組みが確立されていること
マネジメントプロセスで決定した事項が、現場のオペレーションに反映され、組織として守られる仕組みが機能していること。
第三の価値
業務の結果が、経営やマネジメントに結びつき、連携が図られていること
現場で生じた結果、課題、事故や顧客の声、その他事業上の論点(Issue)が放置されず、マネジメントへフィードバックされ、判断や改善に活用されていること。
第四の価値
本業に関わるすべての関係に対して、総合的なリーダーシップが発揮されていること
お客様との関係、従業員との関係、取引先との関係、そして社会との関係を総合的に捉え、組織の責任として適切な意思決定が行われていることを確認します。
この四つの価値が一体となって機能することで、組織は継続的な改善を実現し、良好な成果を一時的なものではなく、持続可能なものにすることができます。
マネジメントシステムとは、規格の要求事項に合わせて、形式的に仕立て上げるものではありません。
形式を整えただけのマネジメントシステムの多くは、先に示した四つの価値を満たしていません。
認証とは、形式を維持していることへの褒賞ではなく、組織が成果を生み出す能力を備えているかを見極めるものです。
私たちは、その原点に立つ認証機関です。
私たちが確認するのは、規格に合わせて後からつくられた「見せかけの仕組み」ではありません。組織が本来の事業を適切に運営するために、自ら考え、築き上げてきた「素の仕組み」です。
組織が、自らの品質や情報セキュリティに真摯に向き合い、必要に応じて、本業や情報セキュリティの本質を理解する専門家の意見を取り入れる場合もあるでしょう。そうして形成された仕組みは、「適合に見せるための仕組み」ではなく、組織の目的と事業の実態に根差した、本物の仕組みとなります。
そのような「素の仕組み」であるならば、J CSRは、その適合性を必ず証明します。
それこそが、1987年に国際規格による認証が始まって以来、受け継がれてきた適合性Auditの原点です。
もちろん、適合性を証明できない重大な要素があれば、それは重大な不適合です。しかし、国際規格に書かれているのは、あらゆる組織に適用できる共通の原理です。もし言葉の文化が未成熟の国があったとしても、国際規格が表す原理は不変です。組織の目的と事業の実態に即して、その原理を自らの仕組みに生かしているのであれば、その本質的な適合性を見いだし、証明することができます。私たちは、認証機関とコンサルタントがそれぞれの専門性を生かし、共に組織を活性化させ、成果へ導くサービス業であると考えています。
J CSRでは、マネジメントシステムの構築支援に携わるコンサルタントに、次の三つをお願いしています。
1.マネジメントシステムの本質を、組織に正しく伝えること
規格の条文に合わせた書類の作り方ではなく、組織が自らの目的を達成し、本業を成果に導く戦略的な仕組みであることを伝えてください。
2.マネジメントシステムの運用に際し必要な力量を備えさせること
組織自身が考え、判断し、改善を続けられる力量を備えさせてください。
3.運用によって生まれる成果に、最後までこだわること
認証を取得することをゴールにせず、品質の向上、事故や不備の防止、顧客からの信頼、情報セキュリティの強化など、マネジメントシステムを運用した結果として、組織にどのような成果が生まれたのかにこだわり、尽力してください。
「素の仕組み」作りに期待しています。
土屋慶三
| 認証事業の経過 | 筆者の認証事業との関わり | |
|---|---|---|
| 1987年 | 品質マネジメントシステム規格、ISO9001発行 | |
| 1989年 | 日本で最初のISO9001認証が始まる(BVQI) | |
| 1992年 | 認証件数が100件を突破 | |
| 1993年 | BVQIにて、マネジメントシステム認証の原点を学ぶ | |
| 1993年 | 国内の認定機関の設立が始まる | |
| 1995年 | ISO9001認証1,000件を突破 | |
| 1999年 | ISO9001認証10,000件を突破 | |
| 2002年 | ISMS認証開始(BSI) | 英国規格BS 7799-2に基づく国内初のISMS認証を手掛ける |
| 2005年 | ISO27001発行、BS 7799-2からの移行開始 | |
| 2007年 | JIS Q 20000 原案作成委員 ISO27001単一機関として国内1,000件の大台を突破 以降、複数の認証機関にて審査技術責任者を歴任 |